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2009/10/24

ザハ・ハディド講演会

今日はザハを見た。
高松宮記念の受賞に伴う講演会であったが、聞きにいったというより、見に行ったという方が正しい。
風貌とぴったりな声。通訳の人も苦戦するほど早くて流れる英語であった。

所員は300人いるそうだ。
パワフル、プラクティカル、そして圧倒される雰囲気。

自分にはない部分であるなあ。。。

2009/10/16

隈研吾講演会 studies in organic


今日は有楽町よみうりホールでの隈研吾講演会に行ってきた。

contour(等高線) texture(質感) organization(有機体)
という3つのキーワードで自らの作品を分類したプレゼンテーションであった。

素材好きな所、特に大谷石の良さとかを語ってしまうところに共感を覚えた。素材の使い方を何か1つに絞って徹底することで建築のテーマにまでつなげているところが、シンプルだがすごいところだと思う。これが学生課題だとなかなかテーマになりにくい。実物やディテールを伴わないからである。だから実務はうらやましい。

CGは美しいが、逆に言えばCGでかなりのはったりを効かせられるのだと最近思っていて、多少ともできて損はない、非常に強力なツールであることは認めざるを得ない。「中身」がついてこなければただのからっぽであるけれども、悲しいかな建築にははったりがいる。

結局「organic」という言葉について明確な定義はされなくて、逃げられた感じであったが、氏の試行の延長線上にあって、環境に柔軟に対応していくシステムを構築するためのフレーズとして、次なるフェーズに入りつつあるような感じを受けた。
たくさんの作品を通じて「実験」をしているところが、楽しそうでうらやましかった。

2007/07/22

みなとみらい


東急東横線が延長されたみなとみらい線の駅デザインには建築家が起用されている。
新高島駅:山下昌彦+UG都市設計+鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道建設本部東京支社
馬車道駅:内藤廣建築設計事務所+鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道建設本部東京支社
みなとみらい駅:早川邦彦建築研究室+鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道建設本部東京支社
元町・中華街駅:伊東豊雄建築設計事務所


個人的には馬車道駅が一番好きである。レンガの質と色彩、統一感がなんともいえない。

先日は初めて元町・中華街駅に行ってみた。初めての方はぜひ外から駅に入っていく空間を体験してもらいたい。映画館の入り口のようなところからホームのあるトンネルの体内にエスカレーターが降りてゆく。急に視界がひらけ、ホームの賑わいを満たした円筒空間に飲み込まれてしまう。。。
絞ってぱっとひらく。セオリー通りなのだけど、見せ方のうまさにあっとやられる。

「建築マップ」http://www.archi-map.net/で個々の駅に関しての評が載っているので参考にされたい。

続いて横浜港大さん橋国際客船ターミナルへ。
(だいさんばしじゃなくておおさんばし。)
一言で言えば、「自然な体験」だった。
水平線、大波、砂丘。体験しながらそんな言葉が浮かぶ。歩いていても足に負荷がかかることがなく、丘のように自然である。座る場所、眺める場所、走り回る場所、曲がりくねる床面によっていろいろな場所が生まれている。手すりやロープがあるのはもったいないが、それだけ曲がりくねった床に上りたくなってしまうのは成功の証であろう。芝生に座って海風に吹かれながら見る港の眺めは最高である。人々の顔がこの気持ちよさを証明している。印象的だったのは車椅子に乗ったカップル?が遊びにきていたこと。ある程度勾配によって制限はあると思うが、階段のない建築なんだなあと再認識する。
デッキにはメンテナンスフリーというイペという木材(イペ:メンテナンスが基本的に不要な高耐久木材・ブラジル、南米アマゾン流域に植生するノウセンカズラ科の樹木。*同「建築マップ」http://www.archi-map.net/より引用)が使われている。規格は2x4のような感じだ。当初の色はもっとオレンジがかっていたようであるのが、雨のかからない部分を見るとわかる。
床のとげに注意!という看板を方々で見かけた。サンダルなんか履いててぐさっといったらかなり痛いだろう。ささりそうな箇所は確認できなかったけど、時間とともにどっかには必ず出てくるのだろう。ゆがみ、割れる、木材の宿命である。デッキの板張りは角度が少しずつつきながら変化し、床面の方向性を作っていて、見ていて楽しい。鉄構造は海風に対して何年くらい大丈夫なのか。塗り替えは大変そう。
丘のようになっているその下には折板構造!の大空間が広がっている。かなりダイナミック。溶接跡もダイナミック(笑)!コンピュータ設計が施工にもたらす無理矢理感!ま、それも建築が人の手で作られている証であって悪いもんじゃないなという気がする。施工よくがんばった。

形は新奇であるがそこだけで評価すべき建築ではない。これは俯瞰ではなく虫瞰的に「体験」すべき建築であろう。久々に楽しい体験だった。現代建築賛美!

「都市を歩く表象」展・「アルヴァロ・シザ」展


「都市を歩く表象」展 http://www.cityelephant.com
像の象を都市において歩かせる・・・詳しくはウェブサイトを参照。テクストを読んでもっと重厚な展示かと思っていたのだが、かなりかわいらしい印象だった。音楽のセレクトはあれでよかったのだろうか。照明はもうちょっと暗い方が引き立つと思った。
木と鉄がミックスされた中世の機械のイメージ。装置はなかなか面白くできている。ただもっとインタラクティブな動きを期待していたのだが、実際には反応が鈍かったりぎこちなさのほうが目立ってしまって残念だった。
7月27日(金)まで ホテル・ニューオータニ・ガーデンコート3Fにて

「アルヴァロ・シザ」展 http://www.toto.co.jp/gallerma/
職人によると思われる模型はコンマ5ミリくらいの木の薄板が精密に表面を覆っていてスキのなさが見事だった。図面を一応見るものの、まだ図面を読みなれていない自分が情けない。
7月28日(土)まで ギャラリー間にて

最近よんだ本

「湖上の家、土中の家 世界の住まい環境を測る」
益子義弘+東京藝術大学益子研究室 農文協 2006年

1年生必修の建築概論の授業で紹介された本。興味深い住居調査の様子が記されている。


「卒業設計で考えたこと。そしていま」
五十嵐太郎編 彰国社 2005年

手描きを見て、CAD図面の軽さをまた感じた。図面のあり方はほんとにここ10年もしない間に大変化したんだろう。


「現代建築に関する16章 空間、時間、そして世界」
五十嵐太郎 講談社現代新書 2006年
4章:全体/部分 レヴィ=ストロース「野生の思考」から「近代的な科学者」vs「器用人」という図式を引用し、全体から部分へと至る思考と部分から全体へと至る思考を2項対立させながらわかりやすく論じている。
5章:レム・コールハース マンハッタニズムやビッグネスといった概念を紹介。一つの章を占めるコールハースという存在の重さ。はずかしながら著作を1冊も読んだことがないのだが、概略だけでも知ることができてよかった。この夏は必ず読みます。
12章:場所と景観 インターナショナル・スタイルvs地域主義vs批判的地域主義・・・特に面白いと思ったのはツォニス&ルフェーブルによる「ダーティー・リアリズム」の紹介である。ある文脈に対して異物を挿入することによって逆説的に場所性を強く喚起させるもの。同化ではなく異化。

この本は語りおろし形式ということもあり平易な文章で、広く浅く、現代建築だけにとどまらない知っておくべき事柄(人物・著作・考え方)をたくさん紹介してくれていて良い。これも知りたい、これも読みたい、と思わせてくれる。

2007/07/02

ふじもり&ゲーリー


オペラシティで開かれていた藤森照信建築展、最終日に行ってきた。

会場には藤森氏本人の姿も。
一番良かったのは入ってすぐの部屋。冒頭に建築は仕上げであるという言葉。ああ、ここにも素材好きな人がいた。
僕には馴染みのあるチェーンソーや曲面カンナのほか、ちょうなや見たことない皮剥きマシンなど丸太をいろいろな表情に仕上げるための工具のほか、しっくいや土壁の見本、草屋根や石屋根、銅板などの施工法が展示してあり、自分たちで考えて作っていく姿勢にとても親近感を覚えた。杉丸太を彫り出した樋なんかとてもいい。手のひらで仕上げた漆喰塗りの壁は素晴らしいテクスチャーである。銅板も相変わらずいい光を放っている。

藤森氏監修のメゾンエルメスの展示にも使われていた分厚い杉の合板は「Jパネル」と呼ばれるもの。要するに目を互い違いに3層張り合わせて強度と美しさを兼ね備えた杉板なのだが、案の定高い。夕方ハンズで3×6版22000円!を確認。高過ぎじゃん。

会場には氏の卒業設計も展示されていた。なかなかのドローイング。ますます手描きの魅力にはまってしまいそうである。
「路上」については長くなりそうなので割愛するが、年月を経て「遊び」が「力」をもつことの強さを再確認した。

続いて渋谷Bunkamuraル・シネマにて「スケッチ・オブ・フランクゲーリー」を鑑賞。(タイトルのカタカナが馴染めない。スケッチはほんとは複数形なのに。)
ゲーリーの友人である映画監督のシドニー・ポラックがインタビューや会話を交えて彼の個性をあぶり出してゆく。ただの賞賛映画かと思いきやちゃんと反対意見の批評もある所がえらい。まあそれも悪役っぽく見えてしまうが。

なかなかの野心家、そして頑固さと我の強さ。若いときはさぞおっかない人だったんだろう。

はりぼて建築といわれようとも、制約や慣習から飛び出て新しいものをつくりだそうという熱さにやる気がわいてくる。

ラーメン一蘭


世界初「味集中カウンター」なるものを体験してきた。

いわく「目の前と隣席を仕切り、1席1席が半個室になっていることで周りが一切気にならない為、味覚が研ぎ澄まされラーメンの美味しさをより深く味わっていただけます。」

うわさには聞いていたので一体それがどんな雰囲気なのか、とても興味があったのだ。

入ってみると思ったほど個室的な閉鎖感はなく、左右はついたてといった程度の板で1席ずつ仕切られている。視線が遮られているせいか、ラーメンが待ち遠しい。
店員のいるサービス側との間は小さな窓が空いているだけで、それもラーメンが出されると店員がすだれを下ろしてゆくというこだわりぶり。透かしてみるとうっすらと向こう岸でラーメンをすする人の姿が見える。
注文方法も工夫されたシステムがあり、なかなか楽しい。

まあ何にせよラーメン自体がかなり美味かったので、満足して帰った。
また行こう。

2007/06/26

横須賀美術館

この4月に新しくオープンした横須賀美術館に行ってきた。

海の景色と一体化してしまうような眺めと背後まで迫る山の自然との間、そんな立地。晴れていれば最高であった。
館内はぐるぐると立体的な空間構成になっていて見て回っていてとても面白かった。

僕は天井と床に注目した。
特に1F展示室の天井は二重になっており、ルーバーの裏側に隠された蛍光灯による間接照明がとても美しい空間性を獲得することに成功している。カーンやピアノの天井は見たことがないからなんともいえないが、今まで体験した美術館の中では一番良い天井ではないかと思った。
BFの展示室にも違ったやり方で蛍光灯自体を隠し間接光を得ているが、掘り込まれた凹部がやや目立ってしまっているような印象もあった。また、スポットライトの形は良くない。どうにかならないものか。
白い空間の中にあって床面はすべてフラットな木フローリング仕上げで、天井との間にとても心地いいひびき合いを作り出している。空調設備は床と壁のスキ間に設けられたスリットでその存在がわかる。それは床面をきれいに納めると同時に空調が床下にあるのはおそらく天井面から余分なものをなくすためか、構造上天井面に設備スペースが作れなかったからではないか。
床といえばもう一つ。エントランスや中庭?に敷かれたデッキのようなもの。これはプレキャストコンクリート製である。だがコンクリートに見えないやわらかな感じをもっている。素材の分節化によってこんな表情も生まれるんだと勉強になった。

この美術館は半分埋まった鉄の泡をガラスケースで海風から守るような構成でできている。その2重性は「守りながら開く」という美術館のもつ要求への1つの解答となっているだろう。

禅寺のように景色を切り取る窓。にじり口のようにわざと低い位置にあけられた窓。吹き抜け空間と展示室の天井高のリズム感。
「見え」のコントロールもなかなか心憎い。21世紀美術館とくらべるなら、僕はこちらの美術館に軍配をあげる。

横須賀美術館ホームページ
http://www.yokosuka-moa.jp/
山本理顕ブログ
http://blog.goo.ne.jp/ry-blog
山本理顕設計工場
http://www.riken-yamamoto.co.jp/sitefolder/ryTop.html

2007/04/29

ノマディック美術館 in お台場

アーティスト、グレゴリー・コルベールの写真・映像が建築家、坂茂によって移動美術館にしたてられ、世界で3箇所目の会場として現在日本のお台場に設営されている。「象と少年が向かい合うポスター」といえば見かけた人も多いかもしれない。

横6x高さ2.4m?のコンテナを4段分「市松模様」に積み上げた壁構造に、紙管の列柱+トラス屋根が組み合わされ、巨大な空間が安価に形成されている。コンテナは現地でレンタルしているらしい。
坂さんの設計ということでもっと紙管のイメージがあったのだが、実はコンテナがかなり重要なエレメントであった。3つのホール空間があるのだが、コンテナの下をくぐって隣のホールへ抜けるときの抜けのプロポーションが、なかなか良いのだ。あんな鉄製のでっかいカラフルなキューブを構成的に配置して、天井も高くて、なんかずるい。コンテナという世界中にあるモノの材料的な使い方に気づいたのはえらいと思う。
内部空間は展示のために光が入らないようにしてあるのだが、照明がうまくいっているのかはやや疑問だ。電気消してトップライトあけたらきれいだろうなと思った。

展示作品に関しては、演出過剰が鼻につく。絵的な美しさ・映像美のクオリティーは一級品だが、作者の意図?には反して「状況のありえなさ」に先に目がいってしまうところが残念だ。映画館にも劣らない大画面映像の迫力はなかなか。学生1600円はちょっと高い、か。

6月24日まで開催中
http://www.ashesandsnow.com

2007/04/27

建土築木

内藤廣著 「建土築木」を読んだ。

建築+土木=建土築木。
建築家でありながら土木を教えるようになった氏が、建築と土木の間に横たわる断絶に感じた複雑な心境。しかしなお建築と土木のよいところを繋げ高めていこうと思案するその思いが構築物の写真とテキストを通して伝わってくる。

現代建築が持つ透明性や軽さはむしろ構築物が本来持つ強大な権力性(パワー)を隠蔽しようとしている。だが土木はその不器用なまでの直截な表現ゆえに逆に素直である、と筆者は語る。

終戦後何もないところから人々が作り上げてきた日本の街並み。抱えている多くの問題を現状から否定することはたやすいが、当時の日本人の心境を慮って風景を眺めなおしている視点に注目したい。

2007/04/13

東京ミッドタウン

先日、東京ミッドタウンに行ってきた。
和のテイストを取り入れながらも、やっぱりスノッブな感じがぷんぷん漂う。

お目当ては安藤忠雄+日建設計の21_21 DESIGN SIGHT、受付の人に読み方を聞いてしまった。「とぅーわんとぅーわん」と読むそうだ。
タイトルの「悪戦苦闘」というならもっともっと泥臭い展示にしてもよかったのではと感じたが、キャプションが丁寧で、素人にも分かりやすいように配慮されているところは好感がもてた。
この美術館、打ちっぱなしのコンクリートのPコン跡がわざと埋められていない。理由はおそらくPコンが、コンクリートも鉄筋から打設まですべて手で作られたものである、ということを証明してくれるからだろう。

デザインサイト周辺はゆるやかな斜面がぽっかりと広場になっていて、その「何も無さ」が都心にあっては非常に贅沢だ。桜の木越しに東京タワーが見えました。

21_21 DESIGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp

2007/03/28

アトリエ・ワン展/ギャラリー間

「いきいきとした空間の実践」と題されたアトリエ・ワン展を見てきた。

下階の部屋いっぱいに設置された「人形劇の家」はうねうねした曲面ベニヤを互い違いに積層して壁をつくっている。
簡単な工法だが、あの組み方だと強度的には不安がありそうだ。かなり揺れたし。
会期中劇公演もあるらしい。
屋外にはリムジン屋台が。あの手作り感と文化祭的な記憶が見る者をわくわくさせる。上から見るとひさしを固定するワイヤーが美しい線。

上階の展示は模型がならんでいるだけって感じでした。
1/20なのかな、ドールハウスっぽい大きさ感。シルバニアファミリー

アトリエ・ワンに通底するある種の「明るさ」が僕にはとても心地いい。
優しさのある明快さとでも言おうか。チャーミングなセンスはなかなか大事だと思う。

ギャラリー間
http://www.toto.co.jp/gallerma/index.htm