
「特集:金属を纏った建築」ということで、金属の素材感に興味がある僕はさっそくぱらぱら読んでみた。
何となくありがちだなぁと思うものが多い中で目を引いたのがデイヴィッド・チッパーフィールドの「デモイン公立図書館」で使われていた「銅版パンチング」である。
アルミパンチングとは違うなんとも言えぬなめらかさというか薄さというか。同じことを素材を変えてやっているだけなのに、まったく違う。
銅というのは金属素材の中でも妙なぬくもりとやわらかさを僕は感じる。あの鈍い赤みのせいであろうか。或いは曲げたときの心地よいやわらかさのせいであろうか。金属でありながら、なぜ身体への近さを感じてしまうのか、まだわからない。
そういえばお寺の屋根の銅版葺きも大好きだ。あの緑青色。
写真に写っていた建築はまだピカピカの銅金色だったが、あれは言ってみれば切りたての刺身のようなものだ。緑青に包ませる気がないのだとすれば、いろいろ防錆処置をしているんだろう。
錆好きとしてはコールテン鋼の赤錆と銅の緑青にぐっとくるのであるが、あの金属の生の姿も美しいと思った。
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