2007/04/27

建土築木

内藤廣著 「建土築木」を読んだ。

建築+土木=建土築木。
建築家でありながら土木を教えるようになった氏が、建築と土木の間に横たわる断絶に感じた複雑な心境。しかしなお建築と土木のよいところを繋げ高めていこうと思案するその思いが構築物の写真とテキストを通して伝わってくる。

現代建築が持つ透明性や軽さはむしろ構築物が本来持つ強大な権力性(パワー)を隠蔽しようとしている。だが土木はその不器用なまでの直截な表現ゆえに逆に素直である、と筆者は語る。

終戦後何もないところから人々が作り上げてきた日本の街並み。抱えている多くの問題を現状から否定することはたやすいが、当時の日本人の心境を慮って風景を眺めなおしている視点に注目したい。

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