2007/07/02

ふじもり&ゲーリー


オペラシティで開かれていた藤森照信建築展、最終日に行ってきた。

会場には藤森氏本人の姿も。
一番良かったのは入ってすぐの部屋。冒頭に建築は仕上げであるという言葉。ああ、ここにも素材好きな人がいた。
僕には馴染みのあるチェーンソーや曲面カンナのほか、ちょうなや見たことない皮剥きマシンなど丸太をいろいろな表情に仕上げるための工具のほか、しっくいや土壁の見本、草屋根や石屋根、銅板などの施工法が展示してあり、自分たちで考えて作っていく姿勢にとても親近感を覚えた。杉丸太を彫り出した樋なんかとてもいい。手のひらで仕上げた漆喰塗りの壁は素晴らしいテクスチャーである。銅板も相変わらずいい光を放っている。

藤森氏監修のメゾンエルメスの展示にも使われていた分厚い杉の合板は「Jパネル」と呼ばれるもの。要するに目を互い違いに3層張り合わせて強度と美しさを兼ね備えた杉板なのだが、案の定高い。夕方ハンズで3×6版22000円!を確認。高過ぎじゃん。

会場には氏の卒業設計も展示されていた。なかなかのドローイング。ますます手描きの魅力にはまってしまいそうである。
「路上」については長くなりそうなので割愛するが、年月を経て「遊び」が「力」をもつことの強さを再確認した。

続いて渋谷Bunkamuraル・シネマにて「スケッチ・オブ・フランクゲーリー」を鑑賞。(タイトルのカタカナが馴染めない。スケッチはほんとは複数形なのに。)
ゲーリーの友人である映画監督のシドニー・ポラックがインタビューや会話を交えて彼の個性をあぶり出してゆく。ただの賞賛映画かと思いきやちゃんと反対意見の批評もある所がえらい。まあそれも悪役っぽく見えてしまうが。

なかなかの野心家、そして頑固さと我の強さ。若いときはさぞおっかない人だったんだろう。

はりぼて建築といわれようとも、制約や慣習から飛び出て新しいものをつくりだそうという熱さにやる気がわいてくる。

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