2007/07/22

最近よんだ本

「湖上の家、土中の家 世界の住まい環境を測る」
益子義弘+東京藝術大学益子研究室 農文協 2006年

1年生必修の建築概論の授業で紹介された本。興味深い住居調査の様子が記されている。


「卒業設計で考えたこと。そしていま」
五十嵐太郎編 彰国社 2005年

手描きを見て、CAD図面の軽さをまた感じた。図面のあり方はほんとにここ10年もしない間に大変化したんだろう。


「現代建築に関する16章 空間、時間、そして世界」
五十嵐太郎 講談社現代新書 2006年
4章:全体/部分 レヴィ=ストロース「野生の思考」から「近代的な科学者」vs「器用人」という図式を引用し、全体から部分へと至る思考と部分から全体へと至る思考を2項対立させながらわかりやすく論じている。
5章:レム・コールハース マンハッタニズムやビッグネスといった概念を紹介。一つの章を占めるコールハースという存在の重さ。はずかしながら著作を1冊も読んだことがないのだが、概略だけでも知ることができてよかった。この夏は必ず読みます。
12章:場所と景観 インターナショナル・スタイルvs地域主義vs批判的地域主義・・・特に面白いと思ったのはツォニス&ルフェーブルによる「ダーティー・リアリズム」の紹介である。ある文脈に対して異物を挿入することによって逆説的に場所性を強く喚起させるもの。同化ではなく異化。

この本は語りおろし形式ということもあり平易な文章で、広く浅く、現代建築だけにとどまらない知っておくべき事柄(人物・著作・考え方)をたくさん紹介してくれていて良い。これも知りたい、これも読みたい、と思わせてくれる。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

 西山卯三著の「日本の住まい」は近代日本の様々な建物形式を網羅していて面白いと思う。
 全三巻でボリューム満点だけど、実測調査や図面なども含まれているから読みやすいと思います。ちと古いが、消滅したビルディングタイプなんかも載ってるので是非。

Kubo さんのコメント...

へー。
「消滅したビルディングタイプ」・・・、気になる。図書館にあるかな、探してみます。ありがとう